屋外でスポーツを楽しむ方々にとって、雨とはなかなか憂鬱なものだと思います。私も雨の日は、メニューによって屋外でできないものがあるので憂鬱です。それでも雨が降る中、屋外でスポーツを楽しむ方は多いでしょう。今回は雨のときにスポーツする際、外へ出る前に準備しておくといいこと、気をつけた方がいいことをご紹介します。当たり前のように感じるかもしれませんが、いすでも大切なことばかりです。

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夏の雨でも体は冷えるので、早めにあがるようにする

冬の雨は冷たく、夏の雨は暖かいというのは、なんとなくイメージがつくかと思います。実際、夏は気温が高いので、雨に打たれるのは気持ち良く感じるかもしれません。しかし、そう感じるのは最初だけ。大抵の場合、10分も雨に打たれていれば、暑さなどは感じなくなるでしょう。雨に打たれ続ければ、体はどんどん冷えていきます。ひどい場合には、夏場でも低体温症になる可能性は十分にあるのです。これが他の季節となれば、危険性はなおさらでしょう。

低体温症は、深部体温(内臓など体の内側の体温)が低下することで起きます。寒いとガタガタ体が震えてくると思いますが、あれは低体温症の初期症状のようです。少しでも体の震えを感じる前に濡れた衣服は着替え、暖かい場所もしくは濡れない場所で退避することが望ましいでしょう。

個人的な感覚ですが、お腹が冷えると一気に冷えが進むと感じます。恐らく皮膚の割とすぐ近くに臓器があるため、内臓が冷えをダイレクトに受けやすいのかもしれませんね。雨の中の屋外スポーツは、やることを絞ってなるべくコンパクトに済ませ、すぐあがるようにするのが良いのではないでしょうか。

濡れたままは体調を崩す危険が。着替えは必須

意外と忘れがちな方もいるので、気をつけなければならない部分です。練習後、自宅まで帰るための着替えは恐らく皆さん用意すると思います。しかし、練習や試合中の着替えはどうでしょうか。例えば準備体操後、本練習や試合に入る前のタイミング。あるいは試合中の休憩時間、クールダウンに入る前など。体を動かしておらず、ただ体が冷えていくだけの時間が何度かあるはずです。

雨が降っていなければ、わざわざ着替えなんてしないタイミングばかりかもしれません。しかし、雨で濡れた場合は、こういったタイミングで着替えることが重要になります。要するに、濡れっぱなしの状態を作らないことが肝心なのです。

台風や豪雨の予報がある場合は、屋外での運動は避ける

これは体調面というより、安全面の話です。例えばジョギングを趣味にされている方などの中には、「今は雨が弱まっているし、ちょっとだけ走ってこよう」と、荒天にも関わらず外に出てしまうことがあるのではないでしょうか。後述するリスクに関する項目と重なりますが、荒天の中で無理やり外出して運動することで得られるメリットとデメリット、無理に外出せず天候が落ち着いてからその日やろうとしていた運動をするメリットとデメリットを、天秤にかけてみてください。

私の周りでも、たまに台風が直撃する中でジョギングに行ったなんていう方の話を聞きます。しかし、話を聞く限りでは、完全にメリットとリスクの釣り合いがとれていないように感じます。

参考として、警報レベルの豪雨ならやめたほうが良いでしょう。注意報レベルは要警戒、他に注意報警報が出ていなくても雨が強い場合は最新の注意を払い、すぐに家に戻れる範囲内で運動することをおすすめします。

足元が滑るので、怪我や転倒のリスクがある事は理解する

最後は雨の中、屋外で運動するリスクについてです。雨で濡れて体調を崩す可能性があるのも確かですが、雨が降っていると足元の状況は格段に悪くなります。サッカーなどのフィールド競技やマラソンなどのロード競技など、競技の実施場所の違いに関わらず、雨の日に屋外でスポーツをする際は「スポーツするメリット」と「雨の中でスポーツするリスク」を天秤にかけて判断しましょう。

トライアスロンを例にすると、屋外で練習する種目にはバイクとランがあります。これは私の場合ですが、雨が降るとランニングは余程の土砂降りでない限り予定通りに外で練習しますが、バイクに屋外で乗ることは基本的にありません。それは、バイクがランニングに比べて、路面が濡れている場合の転倒(スリップ)の危険性が高いからです。雨の中でも外でバイク練習することで得られるであろう練習効果と、リスクを天秤にかけたとき、私の場合はリスクが多いと感じるのでバイクには乗りません。

しかし、これについては本人次第でもあります。例えば、目標のレースで雨が降る可能性が高いなら、雨の中で練習するメリットはリスクを上まわるでしょう。サッカーも雨天が予想される試合を控えている場合、雨の中でも練習するメリットの方がリスクを上回るかと思います。ただし、そうした際には体が冷えたり体調を崩したりしないよう、着替えやすぐに体を温められる環境の用意など、運動後の準備が必要です。

やむを得ず、雨天の中でも屋外で運動する機会はあることでしょう。そんなときは、ここで挙げた注意点をぜひ確認していただき、安全かつ体調も崩さないよう運動してもらえればと思います。

By 古山 大 (ふるやま たいし)

1995年4月28日生まれ、東京都出身。流通経済大学を卒業後は実業団チームに所属。2020年1月に独立し、プロトライアスロン選手として活動。株式会社セクダム所属。 <主な戦績> 2015年「日本学生トライアスロン選手権」優勝 2017年「日本U23トライアスロン選手権」優勝 2018年「アジアU23トライアスロン選手権」2位 2019年「茨城国体」3位、「日本選手権」11位 2021年「日本トライアスロン選手権」4位

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