トレーニングは基本的に、反復と継続が絶対的に必要だと言われています。
色んな練習をつまみ食いするのではなく、一つの目的に向かって一貫性を持ってトレーニングをする。これが重要と言われています。
私も2024年始にロング転向を決心してから早いもので数ヶ月が経過いたしました。
新たな環境や生活、トレーニングにも慣れてきて、この継続と反復という点に視点をおいて日々研鑽に励むことができています。
そんな中、つい先日の練習での出来事でした。
その日はESJogの日で、新たな土地の散策がてら自宅を中心として未開拓の方面のエリアへ踏み入ってみました。
小高い丘の上にあるお寺が遠くからでも見える地域で、普段生活する中で「あそこは一体何なんだろう?」という疑問が湧いていたので、道を調べずにとりあえずそのお寺を目指して走ることにしました。
普段通る道、トレーニングで使っている道とは全く別の道を走っていると、見える景色も違えば、道の起伏なども違います。
最後にお寺の手前で一気にぐっと登る坂道があったのですが、そこを走っている時ある変化に気づきました。
それが「体への意識が変わっていた」ことです。
普段登り慣れた坂とは違う傾斜の坂を登る中で、腕の振り、脚の出し方、目線の位置…普段であれば意識にも置かないような一つひとつの動作が、慣れない環境で走ることにより、改めて意識をする事になり気付かないことにも気付けるようになっていました。
前置きが長くなりましたが、今回はトレーニングを続けるうえでの変化(アクセント)を入れることについて、私が感じたことをご紹介していこうと思います。
目次
基本的にトレーニングは継続と反復が重要
トレーニングの原理原則の一つに「反復性の原則」というものがあります。
これは同じトレーニングや動作を繰り返すことによって、体がその動きに適応し、効率的な動きを獲得することによって能力が向上するというものです。
皆さんの中でもスポーツをやったことのある方は、例えば素振り〇〇回とか、シュート〇〇本とかスマッシュ〇〇かいとか、競技の1シーンを切り取って何回も反復させられた経験があるのではないでしょうか。
やり方、切り取るシーンが合っているかどうかは別として、あれが反復性の原則に則った練習です。
スポーツの動作というのは日常生活の動作の中には無い動きをすることがほとんどなので、いかに繰り返し練習を行い動作を体に染み込ませることができるかが、必要になってきます。
そしてこの期間は、だいたい3ヶ月くらいは同じ練習を繰り返していたほうが良いとも言われています。
スポットで変化をいれることで「飽き」を対策する。
継続と反復が大切という前提をおいたうえで、私は以前一度試したことがあるのですが、トレーニングの環境を
・1ヶ月間全て同じ場所で行う
・1ヶ月毎回場所を変えて行う
と2パターン設定したことがあります。
「飽き」によるパフォーマンス低下と習慣化による効率化、どちらをとるのが良いのかなという実験でした。
最初のうちは全く同じ環境で練習を繰り返すほうが効率が良かったです。
路面の状況も風の向きも、どの部分がキツくなってどこでラクできるか…など全てが予め分かっていたので、トレーニングに集中することができました。
しかし、2週間経ったあたりから同じ場所で練習をしていても、集中力が全く続かなくなり始めたのです。
気が散り、余計なことに意識を持っていかれるようになり、1ヶ月経つ頃には練習効率はかなり落ちていました。
他方、毎回場所を変えてトレーニングを実施した場合では、1回1回の練習のたびに注意を向けなければならないところが多く、同じ場所で練習を続けた際の効率よりも劣る部分がありました。
しかし、こちらの場合は後半になって集中力が切れてくるということはなく、1ヶ月の間高い集中力を持って練習に取り組み続けることができました。
私の場合は毎回場所を変えて行ったほうが、最終的な練習パフォーマンスは高くなりました。
これは個人の性格にも依るところがあると思うのですが、習慣化と飽きは表裏一体であり、ここをうまくマネジメントしないと、気付いたらただ同じことを繰り返しているだけ…なんて事態に成りかねないなと感じました。
あえて別の動きを取り入れることで元の動きを客観的に見られる機会を得る
私は前述のようにトレーニングで実験をしてみて「自宅で勉強をするよりもカフェでしたほうが集中できる」現象に似ているなと感じました。
完璧に整えられた環境の中でやるよりも、多少雑音があって気を逸らされるものがあったほうが、逆に集中できることってありますよね。
あれに似ていると感じました。
常に少しでも良いので変化を体に与えてあげることによって、意識が一点に向き続けることを避け、それが巡り巡って自分の動作を色んな角度から意識するようになる切っ掛けになったのではないかなと、前述の2パターンを試してみて思いました。
しかし、注意していただきたいのが、これはあくまでも私自身の身体を試して行った結果であり、全ての人に当てはまるとは思っていません。
しかし、一つのモデルとして、こういうこともあるんだということで皆様に共有できたらなと思いご紹介させていただきました。
なんとなく最近トレーニングが行き詰まっているな、と感じた方はぜひ、日々のトレーニングに変化を加えることを意識してみてください。
1995年4月28日生まれ、東京都出身。流通経済大学を卒業後は実業団チームに所属。2020年1月に独立し、プロトライアスロン選手として活動。株式会社セクダム所属。
<主な戦績>
2015年「日本学生トライアスロン選手権」優勝
2017年「日本U23トライアスロン選手権」優勝
2018年「アジアU23トライアスロン選手権」2位
2019年「茨城国体」3位、「日本選手権」11位
2021年「日本トライアスロン選手権」4位