暑い夏場には、日中に運動する気にさえならない人は多いだろう。汗をかけばベトベトして不快だし、涼しい日と比べると体力の消耗も激しい。それでも何かしらのスポーツ競技に取り組んでいる人は、暑いからと言って休んではいられない。となれば、できるだけ快適な環境を求めることだろう。それは涼しい室内施設かもしれないし、日中を避けた早朝・夜間という時間帯かもしれない。今回はその選択肢の一つになりそうな、『フリーズテック』の冷感プリント技術についてご紹介しよう。実際にその技術を用いた製品を開発・販売している、株式会社リベルタの福田浩太郎さんに詳しくお話を伺った。

目次

フリーズテック技術と開発の背景

福田さんは前職で衣料・雑貨輸入の企画製造卸、インポート総代理店を主に行っている会社に企画営業として勤務。リベルタに入社すると海外事業部で営業や企画に携わり、その後は機能衣料を扱う部署に配属されて現在に至る。では、そもそもフリーズテックとは何なのか。その仕組みや効果などについて、福田さんは次のように教えてくれた。

「フリーズテックとは、エリスリトールとキシリトールを含有した独自の吸水冷感プリント技術です 。この“冷感プリント”で処理した生地が人の皮膚から発生する汗を吸収すると、その吸熱特性によって生地の温度が下がり、冷感プリントが水分(汗)に反応している間は優れた冷感効果を発揮します。」

リベルタ社は、最初からフリーズテック製品を開発・販売していたわけではない。また、現在はスポーツシーン向けの製品が数多くラインナップされているが、もともとはオートバイユーザー向けに暑さや紫外線対策を提供しようというのが始まりだったそうだ。

「リベルタの機能衣料セクションは、オートバイ用品店の販路で秋冬シーズン向けに電熱ヒーターウエアの“ヒートマスター”(旧ヒーテック)を販売していました。そんな中、次の新商材として春夏商材の企画を検討していたタイミングで見つけたのが、ユタックス社の冷感プリント技術です。ユタックス社とは後に業務提携しますが、実際に冷感プリント技術を体感。すると、オートバイに乗るユーザーの暑さ対策として、汗と走行風という冷感効果を得やすい条件が整っていると判断し、具体的な商品化に向けてブラッシュアップを加えながら2016年頃より企画開発を進めました。2017年のオートバイ用品店販路でのテスト販売では、初年度から販売実績を作ることができました。お客様からも『屋外の仕事やスポーツの際でも重宝している』と評価を頂き、」

なお、最初に開発されたのはモックネック長袖シャツとのこと。しかし、今ではシャツ類(長袖、半袖、ノースリーブ、ポロシャツ、ボタンダウン)だけでなくタイツやアームカバー、ネックゲーター、フェイスカバー、ヘッドキャップ、ヘッドバンドなど多様。パジャマや甚平、マスクなどスポーツ以外に使用できるアイテムもあり、衣類以外に衣類用の冷感ミストも販売している。

アスリートも実感する“涼しい”感覚

フリーズテック技術を用いた製品は吸水冷感性能により冷感を体感しやすく、。通常の衣類と同様に生地自体の劣化は生じてくるが、フリーズテックは冷感プリントの固着技術によりプリントが取れるということはほぼない。そして、冷感プリントが剥がれなければ、冷感効果がなくなるということもないそうだ。実際に50回の洗濯耐久試験を行ったところ、70%の冷感プリント性能が維持された。類似商品に『接触冷感』を使ったものは多く見られるが、こちらは着た瞬間の冷たさは感じられるものの、長時間にわたり冷感が続くものではないという。

「フリーズテックは汗をかいたり水に濡れたりすることで、冷たさを持続的に感じられます。しかし、製品開発に当たっては苦労したこともありました。以前から後加工(仕上剤)による冷感製品はあったものの、洗濯耐久度が弱いのが課題だったのです。その中で、プリントであれば洗濯耐久度は格段に上がり、さらにプリントの表現による意匠的な楽しさもメリットとして訴求できると考え、冷感プリントの開発に着手しました。しかし、開発の初期段階ではプリントの肌あたりが悪く、吸水性が上がらずに冷感性能は理想にはほど遠く。原材料や処方の見直しを何度も繰り返し、やっと現在の形に至りました。」

実際、アスリートの中にもフリーズテック製品を使用している方は少なくない。今回、そのうちの一人であるトライアスロン選手の久山司さんにも感想を伺った。

「トレーニング時にはフリーズテックの半袖インナーシャツ、長袖インナーシャツ(クルーネックやライトウエイトシャツ)、ヘッドキャップ、ヘッドバンドなどを使用。また、仕事時は氷撃マスク、ボタンダウンシャツ、ポロシャツなども着用しています。フリーズテックは、着た瞬間の“ひんやり”とする感じがとても好みです。しかも、速乾性のある素材で、ひんやりとした感じが持続します。また、風を受けるととても涼しく感じられ、暑い環境でもちょっとした涼を味わうことができます。職場の人やトライアスロン仲間にもおすすめしていますが、使用された方は皆さん、とても良いと言っていますよ。」

暑さ対策でさらなる社会貢献を

現在はさらなる冷感アップを目指し、冷感プリント技術のアップデートや通気性の向上などについて研究を進めているとのこと。最後に、フリーズテック技術が目指す今後の展望をお話しいただいた。

「フリーズテック技術を活用した冷感機能を有するウエアやアクセサリーを通じて、年々厳しさを増す夏場の暑さ対策のお役に立つこと。これによって、より​世の中に貢献していきたいと考えています。夏場の暑さ対策でお困りの方は、ぜひ一度お試しください。」

私も試しに、ランニングでフリーズテックの半袖シャツを使用してみた。確かに汗をかいてもベトベトするような感覚がなく、一方で風が当たると汗部分がヒヤッとする。暑い時期なら、最初からシャツを水で濡らしてから着るのも良さそうだ。

今回は本記事をご覧の方々に、フリーズテック技術を用いた製品の中から「冷感アームカバー(白/Mサイズ)」を3つプレゼントとしてご提供いただいた。この機会に、フリーズテックの“冷たい感覚”をご自身で体験してみてはいかがだろうか。

・プレゼント製品:FREEZE TECH ACCESSORY LINE 冷感アームカバー White 両腕用

By 三河 賢文 (みかわ まさふみ)

“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かした技術指導も担う。ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。

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