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◆緊急事態宣言下 五輪内定選手が続々

帰省や旅行で多くの人が移動するゴールデンウィークは昨年に続き、外出自粛が呼びかけられている。新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、東京、大阪、兵庫、京都には緊急事態宣言が出されている。

 

外出を控えて自宅で過ごす人がいる一方、にぎわいを見せている観光地も少なくない。緊急事態宣言は3回目とあって、抑止効果が薄れているという指摘もある。そして、変異ウイルスの影響もあり、新規感染者がなかなか減らないのが現状だ。

 

こうした中、東京五輪の開催は3カ月を切っている。新型コロナの感染状況から、いまだ世論は開催に反対する声が大きいが、ゴールデンウィーク期間中には競泳や陸上など各競技で代表内定者が続々と決まっている。

 

このまま五輪を開催して感染は広がらないのか。疑問や不安を抱く人たちを置き去りにするように開催へ進んでいる状況に、アスリートへの風向きも変わってきている。

 

◆アスリートへの風向き変化

これまで五輪開催に反対する人たちも、アスリートを全面的に応援し、同情する声が大半を占めていた。

 

しかし、ここにきてインターネット上には「アスリートの皆さんは、人としてどのように行動するのかが問われている。頑張って生きている人はスポーツ選手だけではないし、多くの人が大切なことを我慢している」などの意見が出ている。

 

その他にも、「世界的に今も拡大している新型コロナをアスリートたちは、どのように感じているのか。若い選手が発言するのは難しいかもしれないが、キャリアのある選手が発言すべきではないのか」、「国が繰り返し不要不急の外出自粛を呼びかけている中で、五輪が本当に必要なのか、アスリートたちの考えを知りたい。アスリートファースト、アスリートのためと政府や組織委員会が動いている現状をどのように捉えているのか意見を述べる責任があるのではないか」など、アスリートの本音が見えないことに疑問の声も上がっている。

 

もちろん、こうした声は新型コロナ感染のリスクが解消されない中での五輪開催を疑問視するもので、アスリートを批判するものではない。

 

アスリートには好意的で、“平時”の開催であれば応援するはずだ。疑問や怒りの矛先がアスリートに向き始めるほど、7月に五輪を実施することに国民の不安が大きくなっている表れといえる。

By New Road 編集部

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