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首都圏の緊急事態宣言延長へ 背景に五輪の”呪縛” 小池都知事と「政治センスの差」

◆菅総理 緊急事態宣言延長へ

菅義偉総理大臣が、首都圏の1都3県に発令中の緊急事態宣言を2週間程度延長する意向を示した。現在の緊急事態宣言の期限は今月7日までだが、病床のひっ迫が続いていることを延長の理由に挙げた。

 

◆延長の背景に「東京五輪」

菅総理は当初、予定通りに7日の全面解除を目指していた。しかし、期限が間近に迫っての方針転換。その背景には東京オリンピックがあるという。

 

菅総理は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証としてオリンピック・パラリンピックを開催する」と国内だけでなく海外にも繰り返し訴えてきた。もし、東京オリンピックが中止となれば「ウイルスに敗北し、オリンピックを中止にした総理」として歴史に名前が刻まれる。日本の世論も中止や延期を望む声が大勢を占める中、感染症の不安なく開催する難題をクリアする必要がある。

 

◆聖火直前の感染者増加懸念

そして、オリンピックの“幕開け”ともいえる聖火リレーは、3週間後の今月25日に福島県でスタートする。在京テレビ局の政治部記者は「新規感染者の数は約2週間前の状況を示すとされるため、予定通り緊急事態宣言を全面解除すれば、解除期間の感染状況が聖火リレー直前に現れることになる。緊急事態宣言が解除されれば少なからず国民の気が緩み、感染者の数が増える可能性が高い。聖火リレーのタイミングで感染者が増えれば、オリンピック開催への逆風は一層強くなり中止に追い込まれることを政府は恐れている」と指摘する。

 

◆小池都知事と「政治センスの差」

さらに、今回の緊急事態宣言延長をめぐる判断で「菅総理と小池都知事の政治センスの差が表れた」と続けた。政府は感染者の増減をギリギリまで見極めたいとして、きょうまで方針を示さなかった。一方、小池都知事は首都圏の感染状況から、予定通りの解除に懸念を示し、1都3県で宣言延長を政府に要請する案を明かしていた。

 

政治部記者は「小池都知事が打った先手は、政府の決定が解除でも延長でも、どちらに転んでも有効となる」と話す。その理由については「もし、解除して感染者が増加すれば、小池都知事らの意見に従わず政府は判断を誤ったと世論は捉える。一方、延長を決めれば、小池都知事らの考えによって政府が動いた印象を世論に与えることができる」と説明した。

 

新型コロナをめぐる政府の対応は、後手に回っている印象がぬぐえない。世論の風向きを変え、「コロナに打ち勝った証」としてのオリンピックに賛同を得ることはできるのだろうか。