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五輪“手のひら返し”のタイミング図るテレビ局 問われる存在意義

◆五輪報道 テレビ局の本音は

東京五輪開幕まで1カ月余りとなった。いまだ国民の賛同を得られているとは言えず、五輪への機運は高まっているように見えない。新型コロナウイルス感染拡大の不安は消えず、政府や組織委員会への不信感も残っている。それでも、開催は揺るがぬ方針として準備が進められている。

 

こうした“強硬姿勢”に頭を悩ませているのがテレビ局だ。ワイドショーも情報番組もニュースも、世論に同調するように連日、五輪開催の問題点を指摘している。ただ、五輪が開幕しても、批判的な姿勢を貫く覚悟があるのだろうか。ある在京テレビ局員は、こう本音を漏らす。

 

「どの局も五輪が始まれば、世論の考え方は変わると楽観的に見ていると思う。ただ、ここまで開催への不安を放送しているので、どのタイミングで五輪反対の方針を和らげて転換していくのかが難しい。チキンレースのように手のひら返しのタイミングを図っている状況でしょう」。

 

他局の動きをうかがい、世論の顔色をうかがい、五輪反対の色を薄めていく。どの局も批判をかわしながら「何事もなかったかのように競技の感動を伝えたい」との考えがあるという。ただ、視聴者も敏感だ。こうした意向を感じ取り「散々五輪に反対していたテレビ局は、開催期間中にどんな放送をするのだろうか」と目を光らせている。

 

さらに、テレビ局の存在意義を問う声も上がっている。中には「五輪が始まれば、どの局も一斉に熱狂し、コロナの不安は見ないふり。五輪後に感染が広がったら政府を批判する様子が目に浮かぶ」と予想し「結局、複数の放送局があってもスタンスは同じ。内容も変わらないので、1、2局あれば十分ではないか」と指摘する人もいる。

 

◆視聴者「類似番組ばかり」

「類似していて独自性がない」という声は、五輪に関する報道だけにとどまらない。フジテレビは17日、2月に放送した「超絶!THE空中サバイバル」のVTRが、過去に読売テレビが放送した内容と一部が酷似していたとして、公式サイトで謝罪した。

 

しかし、視聴者から驚きや怒りの声は少ない。インターネット上では「今回の件に限らず、どこのテレビも同じような内容ばかり」、「ネットから拾った情報やSNSの動画を使いまわす番組が多くて、独自性がない。同じ動画を他の局でも見るが、担当者はどういう思いで番組をつくっているのだろうか」、「SNSで話題の動画、動物、バスの旅、デカ盛り、クイズなど、どのチャンネルも同じ内容。演出も出演者のコメントも似ていて、テレビ局の数多すぎるし、ネットを見れば十分」などの意見が並んでいる。

 

東京五輪が開幕しても感染リスクや開催への意義を唱え、一貫した報道姿勢を貫けるテレビ局があるのか。存在意義や矜持が問われている。