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火消しが逆効果? 五輪選手のワクチン優先接種を政府が否定

◆丸川大臣が不快感 一部報道を否定

新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、政府が火消しに走っている。東京五輪・パラリンピックの出場選手を対象に、政府が優先的にワクチン接種を進める検討に入ったとする一部で報道に対し、丸川珠代五輪・パラリンピック大臣は不快感を示した。

 

「全く検討していないので、こういう報道が出たことを不思議に思っている。現時点ではもちろんだが、これから先も具体的な検討を行う予定はない」。

 

一部報道では、すでにヨーロッパや中東で選手団への優先的なワクチン接種の動きが出ていることから、日本だけが遅れを取るわけにはいかず、大会関係者から「必要論」が高まりつつあると伝えている。

 

国際オリンピック委員会(IOC)は選手へのワクチン接種を義務付けてはいないが、接種を推奨している。アメリカも接種を進める方針を固めている。一方、日本ではワクチン接種の優先順位を医療従事者、高齢者、持病のある人と定めていて、選手を優先すれば世論の反発を招く可能性もある。

 

会見で丸川大臣は選手の優先接種の検討を否定した上で「IOCと我々(政府)の間ではワクチンを前提としない大会ということになっているので、今後IOCと組織委員会でどのような話をするかによって状況は変わるかもしれないが、今のところ私たちはワクチンを前提としない大会を準備している」と話している。

 

これに対し、「アメリカなどの大国が選手への接種を進めたら、日本も同調せざるを得ないのではないか」、「政府は五輪開催を前提としているのに、選手への接種を検討さえしていないのは逆に問題な気がする」といった不安の声が上がった。

 

◆消えない政府への不信感

また、火消しに走る政府に対し、不信感を強める反応もあった。インターネット上では「実際には検討されたが、世論の反応を見て否定した印象を受ける。火のないところに煙は立たないので」、「必死に否定すればするほど、優先接種の動きが事実と感じてしまう。それくらい、五輪に関して政府を信用していない国民は多いのではないだろうか」、「丸川大臣が『今のところ』、『IOCと組織委員会によって状況が変わるかもしれないが』と含みを持たせているところが、実際には検討はしていたと勘ぐってしまう」などのコメントが支持されていた。

 

新型コロナは収束の兆しが見えず、ワクチン接種も急速に進むことは難しい。現在の感染状況での五輪開催や、これまでの政府の対応を疑問視する声も多い中、今回の件は国民の理解を得る難しさを露呈する形となった。