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ワクチン接種後もマスク生活不可避? “模範国”で新型コロナ感染再拡大

◆わずか10日で再びマスク義務化

新型コロナウイルスは「リバウンドの兆し」、「第5波の予兆」とも言われている。政府が収束に向けた“最後の手段”のように繰り返しているのがワクチン接種だ。

 

菅義偉総理は7月末までに接種を希望する高齢者にワクチンを打ち終わる見通しを示している。そして、接種が進む欧米諸国でマスクのない生活となっていることを念頭に「接種が進むことで状況が一変し、皆さんが街に出て、にこやかな顔で食事する日を1日でも早く取り戻したい思い」と話している。

 

国政選挙などでも自民党の候補者は「ワクチン接種が進めばマスクのない生活を取り戻せる」などと訴えた。しかし、ワクチン接種が世界で最も迅速に進み、日本が模範に挙げていたイスラエルでは感染が再拡大し、わずか10日間で再びマスク着用を義務化したのだ。

 

イスラエルでは16歳以上のワクチン接種率が8割を超えている。1日の新規感染者数は10人ほどに抑えられ、今月15日に屋内でのマスク着用の義務が解除された。しかし、21日に感染者が2カ月ぶりに100人を超えると、24日には227人まで増加。保健省は25日、マスク着用を再び義務とした。

 

現地の報道によると、イスラエルの感染者増加の原因は、インドで最初に確認された感染力の強い変異株「デルタ株」によるものとみられている。日本でもすでにデルタ株が広がっていて、これに新たな変異が加わった「デルタプラス」と呼ばれているタイプの感染も確認されている。

 

死亡や重症化のリスクは抑えることができると言われているため、ワクチン接種は無意味ではないだろう。ただ、接種が進めばマスクのない生活ができるかは不透明な状況だ。

 

東京五輪・パラリンピックを「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」と説明してきた菅総理。開催まで1カ月を切っても世論の理解が十分に得られていない中、頼みのワクチン接種で模範としていたイスラエルでの感染再拡大は、五輪開催への反対や懸念につながりかねない。