新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中、テニスプレイヤー・錦織圭の発言が世界各国のメディアで取り上げられて話題になっている。

 

 錦織は10日のイタリア国際1回戦で勝利した後の記者会見で東京五輪について質問されると、「死人が出てまでも行われることではないと思うので。究極的には1人もコロナの患者が出ない時にやるべきかなとは思います」と東京五輪の開催に疑問を呈した。錦織は昨年8月に新型コロナウイルスに感染しているだけに、コロナの怖さを身をもって味わっている。感染拡大を懸念するのは当然だろう。

 

 SNSやネット上では、「選手にしてみたら、五輪や世界選手権などの大会で結果を出すことが仕事であり生活の全て。スポンサーもいて、取り巻きの支援の人、裏方さん、コーチその他よく知らんけどたくさんの人々の上に成り立っている。簡単に、その五輪を『中止でいい』とは言えないはずだ。その前提でこの発言。重く大きい」、「一旦開催されてしまったら、おそらく、みんな応援し、オリンピックに反対することが言えない空気になる。それをIOCも政府も都も狙っており、強行しようとしている。だから、始まる前に冷静に判断しなくてはならない。錦織選手のいう通り、考えなくてはいけない。始めて後は野となれ山となれでは困る」など錦織の勇気ある発言に称賛の声が。

 

 コロナが収束する見通しが見えない中で、不安は高まる。アスリートファーストを提唱するなら政府、国際オリンピック委員会、日本オリンピック委員会は説明責任を果たすべきだろう。

By New Road 編集部

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