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大坂なおみ会見拒否に賛否 野球界レジェンドの取材対応と考え方

◆大坂なおみ会見拒否で罰金

女子テニス世界ランキング2位の大坂なおみが4大大会「全仏オープン」で、試合後の会見を拒否したことが議論を呼んでいる。大会前に自身のツイッターで「心の健康状態が無視されている」として、会見を行わない意向を表明していた通りにボイコットを決行した形だ。

 

この行為に対して、大会を主催するフランス連盟は大会規定に違反した大坂に1万5000ドル(約165万円)の罰金を科すと発表した。今後も会見拒否を続けた場合、大会の出場停止や4大大会への出場に関する罰則が発生する可能性もあるとしている。

 

大坂の判断には賛否が巻き起こっている。男子テニスの錦織圭は「真意がどこにあるのか分からないので何とも言いづらい」と前置きした上で「理解はできるが、選手がやらなければいけない1つのこと」と語っている。

 

昨年の全仏覇者のラファエル・ナダルは「彼女を尊重する」と切り出した後に「スポーツ選手は質問に答えられるよう準備をしないといけない」と話した。元世界女王のヴィーナス・ウィリアムズは「あなたの人生なので、好きなようにすればいい」とSNSでコメントしている。

 

◆松井氏やイチロー氏の取材対応は

スポーツ選手にとって不可欠ともいえるマスコミ対応。その考え方は個々に違う。過去にメジャーで活躍した日本人選手も様々だった。松井秀喜氏は試合後の取材を拒否することはなかった。

 

その理由について「マスコミを通して自分の言葉を待っているファンがいる」と話していた。たとえ聞かれたくない質問や稚拙な質問であっても、取材対応は仕事の一環であり、ファンサービスの1つと考えていた。

 

イチロー氏はマスコミ側にもプロ意識を求めた。限られた取材時間を有効に使うため、調べれば分かることや試合を見ていれば分かることに関する質問に時間は費やさなかった。WBCのミックスゾーンでは、不勉強な質問をするアナウンサーに「次の質問お願いします」と促したこともあったという。

 

その分、“質の高い”質問には丁寧に対応した。言葉を紡ぐように最もふさわしい言葉を選ぶスタイルは、聞き手やその先にいるファンにも響き、語り継がれる数々の名言が生まれた。

 

松坂大輔もレッドソックス時代、どんなに大量失点しても会見を拒むことはなかった。KOされた後の会見では、途中で打ち切ったり、感情的になったりする投手も多い中、松坂の姿勢は米国メディアに賞賛されたこともある。

 

岩村明憲氏は「メディア対応も仕事の1つ」という域を超えて、少しでも自分の言葉をファンに届けたいという気持ちが強かった。敗戦の原因となるミスをしたときも、けがで気持ちが落ち込んでいるときも、必ずと言っていいほど、記者が全ての質問を終えるまで足を止めて答えていた。

 

もちろん、日本人メジャーリーガーだけをとっても、取材対応には濃淡がある。一貫して多くを語らず最小限の対応にとどめる選手もいれば、取り上げてほしいときだけ応じる選手や、現役時代とは人が変わったように引退後は積極的に話をする選手もいる。

 

選手によって取材への考え方が違う以上、一律の対応を求めるのは難しい。選手もファンも納得するためには、少なくとも選手が取材を受けるかどうか判断する明確なルールは必要だろう。