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◆日本人対決で通算9本塁打

マリナーズの菊池雄星が5日(日本時間6日)のエンゼルス戦に先発する。大谷翔平の登板とは重ならないが、打者・大谷と対戦する可能性が高い。

 

メジャー3年目の菊池は今シーズン、飛躍の1年となる予感がある。ここまで10試合で3勝3敗、防御率3.88。前回登板のレンジャーズ戦は7回途中3安打2失点と好投し、3勝目を挙げた。6試合連続でクオリティースタート(先発投手が6イニング以上を投げて自責点3点以内)と安定感は抜群だ。

 

ここ数年はメジャーで活躍する日本人野手が少なく、日本人対決は多くない。ともに今シーズン好調で、花巻東の先輩・後輩にあたる菊池と大谷の対決は日本のファンにとって楽しみな一戦となる。

 

これまでに、メジャーの日本人対決では9本の本塁打が生まれている。複数記録しているのは、日本人最多となる通算175本塁打の松井秀喜氏ではなく、通算117本塁打のイチロー氏と、メジャー4年目とキャリアの浅い大谷翔平の2人だ。

◆イチローと大谷が2本

☆2005年6月17日 VS石井一久(メッツ)

2回の第2打席、2アウト二、三塁でメッツの先発・石井一久から先制3ラン。この試合、第1打席でレフト前ヒット、第4打席ではライト前にタイムリーヒットを放ち、4打数3安打4打点と石井を攻略した。

 

☆2008年7月19日 VS小林雅英(インディアンス)

5点を追う9回2アウト一塁、この回からマウンドに上がった小林雅英を相手に2ラン。この打席は、5月1日以来、2度目の対戦だった。

 

メジャー19年間で117本塁打を記録しているイチローが、3本以上の本塁打を放っている投手は5人いる。最多はジェーソン・ジョンソンの4本。対戦回数が多いこともあるが、3本をマークした4人の投手はCC・サバシアら、いずれも最多勝を獲得したメジャーを代表する投手ばかりだ。

 

ジェーソン・ジョンソン(オリオールズなど)

通算255試合 56勝100敗 防御率4.99

 

C・C・サバシア(ヤンキースなど)

通算561試合 251勝161敗 防御率3.74

 

バートロ・コロン(インディアンスなど)

通算565試合 247勝188敗 防御率4.12

 

バリー・ジート(アスレチックスなど)

通算433試合 165勝143敗 防御率4.04

 

ジョシュ・ベケット(レッドソックスなど)

通算335試合 138勝106敗 防御率3.88

 

◆大谷は菊池と前田から

大谷翔平はメジャーデビューした2018年、日本人のメジャー1年目としては最多となる22本塁打を放つなど、昨シーズンまでに47本をマークしている。そのうち2本が、日本人投手からのものだ。

 

☆2019年6月8日 VS菊池雄星(マリナーズ)

4回の第3打席で、花巻東高校の先輩・菊池雄星の初球を左中間へ運ぶ一発。この回の先頭打者トミー・ラステラ、マイク・トラウトに続く3者連続本塁打となった。メジャー初対決となった初回にも内野安打を放った。

 

☆2019年6月11日 VS前田健太(ドジャース)

「3番・DH」で先発。メジャー2回目の対戦となった前田健太から、初回2アウトから右中間へソロ。初対戦となった2018年7月6日には、空振り三振と遊飛に封じられた右腕を攻略した。

 

◆初本塁打は松井が野茂から

日本人対決で初めての本塁打が生まれたのは、2004年6月19日のドジャース対ヤンキースの一戦だった。ヤンキース・松井秀喜が初回2アウト一、二塁の場面で、ドジャース・野茂英雄から3ラン。野茂のフォークに体勢を崩されながら、右翼ポール際のスタンドぎりぎりに放り込んだ。

 

この試合には続きがある。4点を追うドジャース5回の攻撃。先頭打者の野茂が左翼スタンドにソロ。自身メジャー通算4本目の本塁打だった。試合はヤンキースが6-2で勝利し、松井の一発に沈んだ野茂は負け投手となっている。

 

日本人野手が日本人投手から記録した残りの3本の本塁打は次の通り。

 

【城島健司(マリナーズ)】

2007年5月4日のヤンキース戦、5点を追う2回に井川慶からソロ。

 

【岩村明憲(レイズ)】

2008年9月15日のレッドソックス戦、4点を追う3回に松坂大輔からソロ。

 

【福留孝介(カブス)】

2009年7月8日のブレーブス戦、2点を追う6回に中日時代の同僚・川上憲伸からソロ。

 

松井が野茂から歴史的な一発を放ってから、日本人対決では5年間で他に5本の本塁打が出ていた。しかし、そこから大谷が菊池からアーチをかけるまで3622日、約10年の年月が経っていた。

 

菊池と大谷の直接対決は2年ぶり。大谷の通算成績は打率.429(7打数3安打)、本塁打1、三振2となっている。注目の対決は、どちらに軍配が上がるのか。そして、今シーズン、日本人選手同士の対戦で通算10本目の本塁打は生まれるのだろうか。

By New Road 編集部

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