21日からスイスのバーゼルで行われているヨーロッパ体操選手権で、ある選手のユニホームが注目されている。跳馬で9位だったドイツのサラ・ヴォスが、全身を覆うユニホームで競技に臨んだ。

 

技の難易度や安定感に加えて、美しさも採点される体操では、体の柔らかさを表現したり、演技をよりきれいに見せたりするため、女子選手は露出の多いユニホームを身に付けることが多い。

 

しかし、本来の意図に反して、選手が性的な対象とされる問題が体操に限らず、多くの競技で世界的に問題になっている。日本でも日の丸を背負った経験を持つ体操選手やバレーボール選手が、競技会場で不快感や恐怖感を抱くシャッター音を何度も聞いたと訴えている。さらに、問題は五輪やプロスポーツに止まらず、学生スポーツの会場でも起きている。

 

サラ・ヴォスは今回、こうした問題に一石を投じた形だ。ドイツの体操チームはツイッターで「女性スポーツ選手が性的な対象として扱われることの抗議。私たちのチームの選手たちは、女性アスリートが不快感を抱くユニホームを着なくても演技することができると模範を示したい」と投稿している。

 

モラルに反しているのは一部の撮影者であり、関係者以外の入場を制限したり、競技中の撮影は関係者に限定したりするなど、対策を講じる動きもある。ただ、マナー違反を根絶するのは難しく、選手側がユニホームを変えざるを得ない状況になっている。

 

選手は演技を一番美しく見せ、観客を魅了するためにユニホームを選ぶ。いわば、ユニホームも演技の要素といえる。そこに本来必要のない不安を感じさせ、ユニホームの選択肢を減らす事態となったのは、モラルを欠いた撮影者、そして、競技とは無関係な写真や映像を使って安易に読者や視聴者を増やそうとした報道機関の責任も重い。

By New Road 編集部

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