J1・川崎フロンターレの家長昭博に日本代表待望論が高まっている。2月26日に行われた開幕戦の横浜F・マリノス戦(等々力)で前半21分に左足でボレーを突き刺して今季初得点となる先制点を奪うと、前半44分にもMF田中碧の右サイドからのクロスを強烈なヘディングで合わせて2得点目。フィニッシャーだけでなく、攻撃の起点としてゲームコントロールもする。家長の本領を遺憾なく発揮し、白星発進に大きく貢献した。

 

 プロ18年で9つのクラブを経験。周知の事実だが、日本代表で長らく活躍したMF本田圭佑と同じ生年月日の86613日生まれだ。ガンバ大阪ジュニアユースの時は、チームメートの本田より家長の方が脚光を浴びていた。高度な足元の技術に裏付けられたパスセンスに加え、ドリブルで局面を打開できる。得点力もあり、まさに「王様」だった。

 

 だが、プロ入団以降は紆余曲折を経た。運動慮の少なさ、守備での貢献度の低さを指摘されて出場機会に恵まれない時期も。だが、スペイン・マヨルカでプレーした後に1415年と大宮アルディージャで攻撃の中心として試合に出続けて輝きを取り戻すと、17年に川崎に加入。チームのJ1初優勝に貢献し、18年は32試合出場6得点7アシストでリーグ連覇を達成してMVPに輝いた。昨年も右ウイングを主戦場に自己最多タイの11得点をマーク。34歳とベテランの域に入ったが、そのパフォーマンスは脂が乗り切っている。

 

 日本代表には0711年に召集されたが、計3試合出場のみ。W杯など大きな国際舞台に縁がなく、森保ジャパンからも声がかかっていない。

 「日本代表の決定力不足は全く解消されていない。久保建英、堂安律、南野拓実と伸び盛りの選手が多いが、試合をコントロールできる家長の経験値は貴重です。攻撃のアクセントとしてウイングも真ん中もできるし、使い勝手もいい選手。森保監督には是非招集してほしいですね」(サッカー誌編集者)。

 

 日の丸をつけたユニフォームを身にまとい、ピッチを駆け抜ける家長を見たい。

By New Road 編集部

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