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花粉症“球界初”の患者は通算474本塁打 トリプルスリー達成者も苦悩

◆トリプルスリーの天敵は花粉症

暖かい日差しで外に出たくなる春。気分も明るくなる季節だが、頭の痛い問題は花粉症だ。日本人の2人に1人ともいわれている“国民病”。止まらないくしゃみや、目のかゆみに頭痛。仕事にならない人も少なくないだろう。

 

プロ野球界にも、花粉症に悩まされた強打者がいた。有名なのは西武とダイエーで、通算2157安打を記録した秋山幸二。西武時代に本塁打や盗塁のタイトルを獲得。1989年にはトリプルスリーを達成した、走攻守3拍子揃った選手だった。

 

秋山は「ミスターメイ」と呼ばれていた。月間MVPを3回獲得しているが、そのうち2回が5月。5月に強かった理由は「花粉症」だった。現在、所沢市にある西武の本拠地はドーム球場となっているが、秋山が西武に在籍していた頃は屋根がなかった。

 

シーズンが開幕する4月は、スギ花粉の影響で目のかゆみや鼻水に苦しみ、打撃が低迷。症状が治まる5月に成績が急上昇した。引退後の講演では「花粉症が治まると、投手のボールの握りまで見えた。花粉症がなければ、もっと成績がよかったはず」と話していた。

 

◆松井秀喜も日米で…

日米通算507本塁打を記録した松井秀喜も、深刻な花粉症に悩まされた。薬や注射での治療はドーピング違反になる可能性があるため、鼻の中にクリームを塗るなどの対策を講じたが症状は続いた。メジャーに移籍しても、悩みは解消されなかった。

 

松井のメジャー10年間の通算打率.282だった。月別の成績は3、4月が打率.268で最低。全盛期でも2003年は打率.255、2004年は同.250、2007年は同.207と、春先の成績は低迷した。松井の月別の通算成績を見ると、出場試合数に対して本塁打の数が少ないのもわかる。

 

【3、4月】200試合 打率.268 本塁打23 打点114

【5月】219試合 打率.273 本塁打26 打点122

【6月】215試合 打率.277 本塁打33 打点144

【7月】187試合 打率.309 本塁打38 打点134

【8月】197試合 打率.280 本塁打30 打点131

【9、10月】218試合 打率.289 本塁打25 打点115

 

◆「球界初」は通算474本塁打の強打者

歴代11位の通算474本塁打を記録した田淵幸一氏は、2011年に楽天でコーチを務めていたとき、花粉症に苦しんだ現役時代を振り返っていた。鼻水が止まらず眠れないこともあり、春は調子が上がらなかったという。

 

本を読んだり、医師の話を聞いたりして対策を進めたものの、改善しなかった。「野球界で最初の花粉症患者」と自覚し「田淵が発症して花粉症が広く知られるようになったと聞いたことがある」と語っていた。数々の好投手を攻略して恐れられた強打者たちも、花粉症にはお手上げだった。