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◆浦和が柏木と杉本に処分

J1浦和レッズは、元日本代表のMF柏木陽介とFW杉本健勇がクラブの規律を違反したとして処分を科した。2人は、沖縄キャンプ中の今月4日午後4時から6時ごろの間に、飲食店で外食をしたという。新型コロナウイルス感染拡大を受け、沖縄県では独自の緊急事態宣言を発令して外出自粛を要請し、クラブも「近くのコンビニエンスストア以外の外出および外食は禁止」としていた。

 

2人の選手には厳重注意と罰金の処分が科された。さらに、柏木には「繰り返しのチーム規律違反があったため、トレーニング参加については現状未定」としている。クラブは「シーズン開幕前に皆さまをお騒がせし、誠に申し訳ございません。すべての関係者の皆さまに対し、深くお詫び申し上げます」とコメントした。

 

Jリーグでは昨年11月にも、J2ジュビロ磐田がクラブの規律を破ったとして、FW小川航基とDF舩木翔に謹慎1週間と罰金の処分を科している。違反の内容は明らかにされていないが、接触した知人が新型コロナに感染していたことがわかり、PCR検査を受けた結果、2人とも陽性が判明した。

 

◆プロ野球界では無期限謹慎処分も

プロ野球界では先月、ロッテの清田育宏が無期限謹慎処分を受けている。昨年9月に遠征先の札幌で、球団が当時、新型コロナ対策として禁止していた部外者との会食を球団に報告せず、虚偽の説明をしたことが理由だ。清田への監督不行き届きで、松本尚樹・球団本部長も厳重注意となっている。

 

◆阪神は球団社長が引責辞任

阪神は昨年10月、福留孝介ら10選手とチームスタッフ1人に制裁金を科したと発表している。福留らは9月に遠征先の名古屋市で球団の規則を破って複数人で食事をした。会食は8人と4人による2つで、参加していた糸原健斗や岩貞祐太らの感染が判明した。球団は当時、会食の上限を4人としていて、8人は2倍の人数。さらに、4人グループは全員が投手で、NPBのガイドライン「同じポジションの選手は行動をともにしない」に反した。阪神の揚塩健治球団社長は、チーム内で感染者が相次いだ責任を取って辞任している。

 

◆「特別意識」「過信」指摘

プロスポーツ選手は、後援組織や古くからの付き合いなどがあり、会食の機会は多い。ただ、サッカー界、野球界で規律違反が相次ぐ理由について、スポーツ紙の記者は「特別意識」と「過信」を指摘する。社会全体に不要不急の会食を控える動きが広がっていても「一部の選手は、世間とプロスポーツ選手の自分たちとは世界が違う。自分たちの会食は不要不急に当たらないという考え方をしていると感じる。また、一般の人より体力があるから免疫力が高く、自分が感染するはずがないと思っている」と話している。

By New Road 編集部

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