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◆2月1日キャンプイン 異例の無観客

新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しが見えない。2月1日のキャンプインまで4日となったプロ野球にも、大きな影響が出ている。自治体の要請を受け、12球団全てが感染を広げないために観客を入れない決定をした。

 

◆新規入国停止 助っ人の合流できず

各球団が頭を悩ませているのは外国人選手の合流。政府は感染症の水際対策として、外国人の新規入国を一時停止している。スポーツ選手への特例も停止された。ビザの取得や来日の予定が遅れ、多くの助っ人がチームに合流するめどが立っていない。

 

◆西武は”純国産”で開幕の覚悟

巨人やオリックスなど一部の選手が来日しているチームがある一方、西武やDeNAは全ての外国人選手がキャンプインに間に合わない状況だ。西武は、助っ人に頼らない“純国産”での開幕を覚悟している。辻初彦監督は「合流のめどは分からない。開幕には間に合わないつもりでやっていく」と不確定要素の外国人を開幕の構想から外している。

 

◆外国人全5選手キャンプ免除

チームに所属している外国人は5人。投手はリード・ギャレット、ザック・ニール、マット・ダ―モディの3人。野手はコーリー・スパンジェンバーグと、エルネスト・メヒアの内野手2人となっている。5人のうち、新加入はダ―モディ1人。ダ―モディは昨シーズン、カブスでプレーし、メジャー通算29試合で2勝を挙げている。チームは、すでに全5選手にキャンプ免除を伝えているという。

 

スパンジェンバーグは来日1年目の昨シーズン、111試合に出場して打率.268、15本塁打、57打点、12盗塁。三振は150を数えたが、主力を担った。メヒアは74試合で打率.207、11本塁打、33打点と精彩を欠いた。

 

◆”純国産”打線の実績

日本人選手にはないパワーや威圧感のある外国人選手は、相手投手の脅威となり、不在となれば戦力ダウンは否めない。ただ、西武は“純国産”の実績がある。10年ぶりにリーグ優勝した2018年。「山賊打線」と呼ばれた強力打線に名を連ねたのは、秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高、森友哉ら日本人選手だけだった。投手陣も外国人が計算通りの働きとはいかなかったものの、頂点に立ったのだ。

 

◆史上初 20本塁打以上の日本人5人

リーグ連覇を果たした翌年も、秋山、山川、森のほか、中村剛也と外崎修汰の計5人が20本塁打以上を記録した。日本人のみでの達成はリーグ初。浅村が楽天に移籍した影響を感じさせなかった。チーム打率と得点数がリーグトップだった2017年は、メヒアが19本塁打を放っているが規定打席には到達しない。

 

打線と比べて不安なのは投手陣だが、そこまで大きな穴ではない。ニールは2019年にチームトップの12勝(1敗)を挙げている。ただ、ローテーションの一角を任された昨シーズンは6勝8敗と黒星が先行した。現有の国産戦力を底上げすれば、ニール不在は埋まるはずだ。

 

◆過去には巨人の「レインボー打線」

西武のほかに、“純国産打線”で思い出されるのは2001年と2002年の巨人。清水崇行、二岡智宏、高橋由伸、松井秀喜、清原和博、江藤智、仁志敏久、阿部慎之助を要したラインナップに原監督が名付けたのは「レインボー打線」。あまり浸透しなかったが、長打や進塁打、四死球など7つの要素を7色の虹になぞらえた。この時も、助っ人野手にフェリペ・クレスポ、投手にはジョン・ワズディンらがいたが、目立った活躍はない中、日本一になっている。

 

新型コロナの感染拡大により、異例の形でキャンプインしたプロ野球。今シーズンは選手のパフォーマンスや戦力に加えて、計算が外れた時の想定や準備が例年以上に問われている。

By New Road 編集部

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