New Road(ニューロード)

menu

プロ野球キャンプの聖地は無観客 宮崎県知事に使命感と危機感

◆異例の球春到来

プロ野球は間もなく、キャンプシーズンを迎える。代表的なキャンプ地の1つが宮崎県。2月になると多くのファンが訪れて、町は活気づく。しかし、今年は例年と全く違う様子になりそうだ。

「毎年いろんな球団を受け入れているのは宮崎の誇り。スポーツ関係の報道を通して、宮崎のことが発信されることは大変な効果を生んでいると考えている。今年に関しては、それぞれの球団、チームについても感染症対策を徹底してもらう。キャンプインした後も感染対策を徹底してほしい」

◆宮崎県知事に使命感と危機感

記者会見で、使命感と危機感をにじませたのは宮崎県の河野俊嗣知事。県内で予定されているプロ野球とJリーグのキャンプを全て無観客とする方針を発表した。

春季キャンプについて、プロ野球とJリーグが合同で設置している新型コロナウイルス対策連絡会議は、万全の対策を講じた上で予定通り実施すると決定。併せて観客の取り扱いに関しては地元自治体の方針に従うとしたことを受けて、宮崎県が対応した形だ。

 

◆昨年は80万人のファン 経済効果120億円超

県によると、昨年は約1カ月間のキャンプ期間に80万人以上の観光客が訪れ、経済効果は120億円を超えた。県の総人口が約106万人ということを考えると、どれだけ町がにぎわうか想像は難しくないだろう。観客を入れない、観光客を招かない選択は苦渋の決断。それだけ、新型コロナへの強い危機感が表れている。

 

◆選手にも外出自粛要請

宮崎県では新型コロナウイルスの感染者が急増し、県は独自の緊急事態宣言を出している。球団やクラブに対しては、無観客の他にも「不要不急の外出、特にトレーニング等を除く夜8時以降の外出自粛」や「会食は4人以下で2時間以内」など、県民にも順守を求める行動を要請した。現地に入るOBや評論家、報道陣にも移動前にPCR検査を受けるよう求めた。

 

◆Jリーグ17クラブもキャンプ

県によると、宮崎でキャンプを予定しているプロ野球の球団は巨人やソフトバンクなど、ファームを含めて7球団。Jリーグは17チーム程度だという。すでに、県の要請に応じて無観客を決めた球団もある。河野知事は「キャンプを通じて感染者を増やさないことが大切」と力を込め、インターネットなどを通じたキャンプ情報の発信を提案した。

 

◆ミスター「3」披露 侍ジャパンフィーバーも

宮崎はプロ野球の“キャンプの聖地”となっている。2000年には巨人の長嶋茂雄監督が初めて、伝説の背番号3のユニフォーム姿を披露した。2009年は連覇を目指すWBC日本代表が、大会直前の合宿を実施。当時マリナーズに所属していたイチローも参加し、大フィーバーとなった。

 

河野知事は「長年にわたりキャンプを受け入れてきた実績がある。そのことによる宮崎の経済効果、情報発信、いろんな恩恵を受けてきた。コロナ感染を徹底して抑えなければいけない。厳しい判断ではあるが、キャンプを受け入れて、キャンプ地としての役割を果たしていきたい」と決意を述べた。

 

異例の球春到来。シーズン開幕の延期や無観客でのシーズンを避けるため、何よりも新型コロナの感染を食い止めるために、今年は静かに2月1日のキャンプインを迎える。