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運動にはメガネ?コンタクト?専門家に聞くメガネのメリットと選び方

運動するうえでは、視界がとても重要だ。例えばラケットスポーツなら、飛んでくるボールを的確に捉えなければ打ち返すことはできない。あるいはランニングにおいても、安全性という面で考えると“見えにくい”状態は避けるべきだと言える。そうなれば視界を確保するため、メガネやコンタクトレンズといった選択肢が挙がってくるだろう。

私自身、数年前から視力が低下し始めて、現在ではメガネが手放せなくなっている。マラソンやトライアスロン、あるいは陸上競技に取り組んでいるが、いつもメガネを掛けたスタイルだ。そのお陰でクリアな視界は確保できているが、実際のところ課題も多い。例えばダッシュした際にメガネが落ち、破損してしまったこともある。そこで今回は、同じようにメガネを利用する方々に向けて、運動に適したメガネの選び方などをご紹介しよう。全国に100店舗以上のメガネ店を展開する、株式会社ビジョンメガネ(大阪府大阪市)の商品部部長・平野順久と商品部商品開発課課長・畠山由貴子さんにお話を伺った。

運動時のメガネ、もっとも困るのは“ズレ”

運動すると汗をかくため、メガネがズレやすい。そのため、運動時にはコンタクトレンズの着用がベストだが、さまざまな理由で使用できない人、あるいは苦手な方もいるだろう。ビジョンメガネにもお客さんから、運動時のメガネ使用については色んな声が届いているという。

「メガネがズレると、視界や見え方もズレてしまいます。そのためスポーツに集中できず、なんとかしたいと悩みを抱えているお客さまは多いようです。中にはジョギング時にメガネがズレる(動く)ことで、焦点が定まりにくいのか、軽く電車酔いのような症状になる方もいます。」

こうした課題は、実際に体験したことのある方も多いだろう。私もランニング中、メガネがズレて何度も直しながら走ることに煩わしさを感じたことがある。そして、このズレは汗だけでなく、身体の動きそのものにも起因するだろう。例えば落としたものを拾ったり、いきなり椅子から立ち上がったりする細かな動作でもズレることがあるからだ。そうなれば、より激しい動きが求められる運動時は、この課題が顕著になるのも当然のことである。

運動時におけるメガネとコンタクトレンズのメリットは?

視力の低い人が運動する際には、メガネかコンタクトレンズが選択肢となる。メガネにもさまざまな種類があるが、スポーツ仕様でないものは、どうしても身体を動かすとメガネがズレやすい。そのため、ズレないためにメガネバンドや耳に引っ掛けるズレ防止の付属商品を購入し、使用するといった人もいる。

畠山さんによれば、メガネはコンタクトレンズと比べてランニングコストが掛からないというメリットがある。また、体質や視力によってコンタクトレンズを使用できない方もいるため、総合的に考えるとスポーツ仕様のメガネがおすすめだという。ズレにくいメガネなら、そもそも付属品を別に購入したり、複数のメガネを所持したりする必要がない。

もちろん、コンタクトレンズにもメリットがある。例えば、メガネに比べて広い視野が得られることが挙げられるだろう。また、左右の視力差が大きい場合は、コンタクトレンズの方が視力は出やすいということもあるそうだ。あるいはメガネを掛けると顔周りが暑く、汗をかきやすいなど不快に感じる方も。そういった方にはコンタクトレンズがおすすめであり、スポーツ種目によってコンタクトレンズが適することもあるそうだ。

スポーツシーンで、メガネとコンタクトレンズのどちらが適するのか。その優位性には、実際のところ個人差があるため一概には断定できない。この点を踏まえ、次のように教えてくれた。

「中には、コンタクトレンズだと視力が出にくい方がいます。そういった場合、メガネの方が矯正できることもあるんです。あるいはメガネは、レンズにオプションをつけることで機能性を向上することもできます。例えば割れにくいレンズを使用して、目の保護機能をアップさせる。あるいはレンズにカラーを入れたり、偏光レンズや調光レンズといった機能レンズを使用する事で、まぶしさやギラつきなどの光対策が可能になったりするんです。」

どちらが自分に適するのかは、自身の体や求めるもので異なってくるようだ。両者を実際に使用して比較できるのがベストだが、課題を解決してくれる、あるいは目的を満たしてくれる手段を選びたい。

知っておきたいフレーム&メガネの種類

同じメガネでも、実はフレームやレンズに多様な種類があることをご存じだろうか。ズレないことはもちろんだが、メガネを使用する最大の目的は“視界を快適にする”こと。そのためには、適したフレームやレンズを選ぶことも大切だ。あまり見聞きすることのない種類別の詳細を伺ったので、ここでご紹介しておこう。

<フレームの種類>

①フルリム

  • レンズの周りを1周囲む様に縁のあるフレーム
  • レンズが当たったりした時の欠けの心配も少ない

※参考:MYDOスポーツ/品番MDS2002

②ナイロール

  • レンズの上側に縁があり、下側を糸でつっているフレーム
  • 下側に縁が無いので、視界も広い

※逆ナイロール:ナイロールの逆で、下側に縁があり、上側を糸でつっているタイプ

※参考:MYDOスポーツ/品番MDS2001

③ツーポイント

  • レンズの周りに縁が無く、レンズの内側と外側の4か所をネジで止めているタイプ
  • すっきりとした自然な見た目

※参考:atsuRae

<フレームの形状(玉型)>

①オーバル

楕円形のベーシックな玉型。三角顔、四角顔の方に似合いやすい。

②スクエア

横長の長方形型。丸顔の方、面長顔の方に似合いやすい。

③ボストン

逆三角形の下側が丸みのある玉型。三角顔の方に似合う。

④ウェリントン

スクエアより縦幅が深い逆台形の玉型。面長顔、四角顔の方に似合う。

※参考:自分の顔型に似合うメガネのフレームの形状を知る「顔型分析×パーソナルカラー診断」

<レンズの種類>

①用途別

  • 単焦点:近視、遠視、老眼
  • 多焦点:2重焦点、3重焦点
  • 累進焦点:遠近両用、中近両用、近々両用

②屈折率

屈折率が大きいほどレンズの厚みが薄くなる。なお、今の主流は屈折率1.551.601.671.744種類。

③設計

設計が良くなるにつれ視界の広さとユガミが軽減。球面設計、非球面設計、両面非球面設計、インディビジュアル設計。

④コーティング

カラー、UVカット、ブルーライトカット、近赤外線カット、防曇、抗菌 など

⑤機能レンズ

調光、偏光、遮光、ゴルフ用、釣り用、サイクルスポーツ用、ドライブ用 など

運動用であれば、「素材が軽い」「スポーツ時の負担にならない」ことを重視すると良いそうだ。これはズレない/ズレることで安定した視力が得られない、あるいは集中力が落ちる可能性があるため。各種類の特徴を頭に入れつつ、ポイントを押さえて最適なメガネを選ぼう。

100km走って確かめた!ビジョンメガネの “ズレない”スポーツ用メガネ「マイドゥ スポーツ」

ビジョンメガネは運動時のメガネに対する課題を解決すべく、「絶対にずり落ちない」がコンセプトのスポーツ用メガネ「マイドゥ スポーツ」を展開している。技術面で最大の特徴は、フレームの耳にかかる部分のパーツ(先セル)に、耳の後ろまで巻き付いて固定する特殊形状のパーツを採用している点。どんな形の耳にも吸い付くようにしっかりフィットするので、走ったり飛び跳ねたり激しく動いても、あるいは汗をかいてもずり落ちないという。そのため、ズレを防止のメガネバンドなども不要だ。常に正しい掛け位置にキープし、ピントと視界を良い状態で保つため、スポーツを快適に楽しめる。

また、耳にかかる部分には、哺乳瓶の吸い口にも使われるエラストマー素材(樹脂)の中でも柔らかく丈夫なものを採用。下の部分は特に柔らかい素材を使用している。試行錯誤を重ねて、耳に吸いつくようなフィット感を保ちながら耐久性を上げ、運動中に長時間掛けても痛みや圧迫感のない掛け心地の良さを実現していたという。

今回、この「マイドゥ スポーツ」をご提供いただいた。そして本当にズレずに快適なのか、「柴又100K」というウルトラマラソンで100km走ってきた。当日は前半が暑く、後半には強風という走るのが難しいコンディション。10km走ることには汗だく。強風を受ければ全身がそれを受け止め、もちろんメガネも煽られる。

しかし、確かにメガネがズレることはなかった。シューズ紐を調整しようと下を向いている際も、ズレたり落ちたりしない。ゴールまで約10時間を走り続ける中で不快感もなかった。それほどスピードは出していないので激しい運動とは言えないが、少なくともランニング程度の運動ではズレず、長時間でも快適に着用できることが分かった。多くのユーザーからも、「本当にズレないね」という声が寄せられているという。

運動するうえでメガネが手放せないという方は、実際のところ大勢いるはずだ。しかし同じメガネでも、フレームやレンズにはさまざまな種類がある。そして「マイドゥ スポーツ」をはじめ、メガネ開発にも技術の進歩が見られる。せっかく使用するのであれば、自身の悩みや目的に合わせて最適なものを選び、より快適に運動を楽しもう。

[著者プロフィール]

三河 賢文(みかわ まさふみ)
New Road編集長。“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かした技術指導も担う。ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
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