パラリンピックの自転車競技は、1984年のストークマンデビル大会から正式種目となった。障がいによって使用される自転車が異なり、そのスピードや駆け引きから目が離せない。屋外で行われるロード競技は、ちょっとした天候の変化もレースに影響を与える。その競技概要や見どころなど、ここで詳しく解説しよう。
目次
自転車競技(ロード)の競技概要
自転車競技(ロード)は「ロードレース」「タイムトライアル」「チームリレー」の3種目で実施される。会場が屋外となるため、天候変化や暑さなども重要なポイントだ。体力や技術はもちろん、選手同士の駆け引きもある中でレースを走り続ける強靭な精神力も求められる。
クラスと内容
障がいによって4つにクラス分けされ、使用する自転車も異なる。ただし競技ルールは、基本的にオリンピックと同様だ。クラスの詳細は以下の通りとなっている。
<Cクラス>
四肢障がいや切断などの選手が対象となり、2輪の競技用自転車を使用する。
<Bクラス>
視覚障がいのある選手が対象で、視覚を担うパイロットと共に2人乗りタンデム自転車の後方に乗る。
<Tクラス>
ペダルは漕げるものの、麻痺などで一般的な競技用自転車に乗ることができない選手。障がいの程度に応じ、T1とT2クラスに分けられる。使用するのは3輪の「トライシクル」という自転車。
<Hクラス>
主に下肢に重い障がいのある選手。障がいの程度によりH1~H5に分けられ、使用するのは手で漕ぐ「ハンドサイクル」だ。なお、H1~H4の選手は仰向けに、H5の選手は上体を起こして前かがみに乗るのが一般的となっている。
東京2020パラリンピックでの実施種目
東京2020パラリンピックでは、以下の種目で自転車競技(ロード)が行われる。
- 男女タイムトライアル
- 男女ロードレース
- 混合チームリレー
自転車競技(ロード)の見どころ
選手たちの使用する自転車は、障がいに応じて異なる。いずれも操作技術はもちろん、選手同士の駆け引きも注目したい。タンデム自転車を使用するBクラスでは、選手とパイロットとの信頼関係も重要なポイントだ。なお、ハンドサイクルを使うのはロードレースのみとなっている。上肢で車輪を回す迫力も、パラリンピックだからこその見どころだ。
ペース配分やポジショニングなど、最初から最後まで見どころ満載の競技種目と言えるだろう。ラストの競り合いで勝敗がひっくり返ったり、僅差でのゴールになったりすることも珍しくない。なお、東京2020パラリンピックにおいて、日本からは男性2名・女性3名の選手たちが出場する。
東京2020パラリンピックにおける競技スケジュール
東京2020パラリンピックでは、以下スケジュールで自転車競技(ロード)が行われる。
- 2021年8月31日(火)8:00~17:15 男女タイムトライアル
- 2021年9月1日(水)9:30~17:05 男女ロードレース
- 2021年9月2日(木)9:30~16:45 男女ロードレース、混合チームリレー
- 2021年9月3日(金)9:30~16:45 男女ロードレース
まとめ
スピードと駆け引き、そして操作技術などが問われる自転車競技(ロード)。タンデムバイクでは、パイロットと選手との信頼関係も欠かせない。ラストの競り合いで勝敗が決まることも多く、最初から最後まで見逃せない競技と言えるだろう。チームリレーは男女混合3名で開催され、チームワークの良さを楽しむこともできる。
スポーツメディア「New Road」編集部
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