マラソンとスイミング、それぞれの競技については多くの方がご存じだろう。しかし「マラソンスイミング」については、あまり詳しく知らないかもしれない。どんな競技種目なのか、ここで詳しく解説しよう。東京五輪のスケジュールや出場選手に関する情報と共に、是非ご覧いただきたい。

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マラソンスイミングの競技概要

マラソンスイミングは水泳の1種目。しかし通常の水泳とは異なり、海や川、湖といった自然の中で行われる。コースの長さは男女とも10km。競技名の通り、水泳のマラソン競技と言えるだろう。選手達は同時にスタートし、早くゴールに達した選手が勝利する。そんなマラソンスイミングの見どころが、ラストスパートの勝負。10kmの距離を競うにも関わらず、選手たちはゴールの直前までラストスパートの勝負を行うのだ。前にいる選手の後ろにぴったりついて水流を利用して泳いだり、折り返し地点での効率の良いコース取りを確保したり。レースを進める上での戦略が、勝敗を大きく左右する。

自然の中で行われるため、日によってコースの状態が大きく異なる。そういった自然環境を上手く利用することも、この競技の醍醐味と言えるだろう。約2時間にわたるレースだが、選手たちは海中にいるので給水の方法が問題だ。マラソンスイミングでは地上にいるメンバーが5m以内の棒(ポール)の先に入ったドリンクを差し伸べ、選手は泳ぎながらドリンクを手に取る。このテクニックも、マラソンスイミングにおける見応えの一つだ。

マラソンスイミングはオリンピック競技としての歴史が浅く、北京2008年大会で初めて正式な競技になった。マラソンスイミングでオリンピックに参加した初めての日本人選手は、ロンドン2012年大会に出場した平井康翔選手と貴田裕美選手の二人。平井選手はその際に8位入賞を果たしており、これが日本人としての最高順位である。東京五輪では男子が若手の南出大伸、女子はベテランの貴田裕美が出場。ぜひ、日本人選手として最高順位の更新を応援したい。

東京五輪|マラソンスイミングの競技スケジュール

  • 84日(水)午前630分~女子10km
  • 85日(木)午前630分~男子10km

東京五輪|マラソンスイミングの日本人出場選手

男子|南出大伸

  • 年齢:25
  • 大学:日本体育大学
  • 所属:木下グループ
  • 主な戦績:18年日本選手権優勝

女子|貴田裕美

  • 年齢:35
  • 大学:共愛学園前橋国際大学
  • 所属:コナミスポーツ
  • 主な戦績:16年リオ五輪10キロ12位(3大会連続出場)

まとめ

競泳競技の中で、唯一の屋外競技であるマラソンスイミング。自然の中で行われる分だけ不確定要素が多くあり、波乱の展開が待っているかもしれない。給水時の技術やラストスパートは大きな見どころ。日本人選手は、果たして過去の最高順位を更新することができるのか。あまり目にすることのないマラソンスイミングを、この機会にぜひ応援してみてはいかがだろうか。

By New Road 編集部

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