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◆センバツ選考方法に疑問の声

3月19日に開幕する春のセンバツ高校野球の出場校32校が決まった。そして今回も“やはり”出場校や選考基準をめぐって、インターネット上で疑問や不満の声が噴出している。

 

◆関東・東京地区は「不平等」

センバツ出場校の枠は、地区によって数が決まっている。北海道は「1」、東北は「2」、九州は「4」という形だ。この段階で「不平等」と指摘されるのが、「6」ある関東・東京地区。「6」の内訳は関東「4」、東京「1」、関東か東京から残り「1」を選出となっている。

 

この関東・東京の6枠目が、今回も議論を呼んでいる。最後の1枠を競っていたのは、神奈川県の東海大相模と東京の日大三の2校。東海大相模は関東大会でベスト8に入り、日大三は東京大会準優勝だった。

 

◆納得が難しい選考理由

選考委員会は東海大相模を選んだ理由に「1年夏から甲子園を経験している石田隼都投手の粘り強い投球」、「関東大会で3連続バント安打を決めるなどの試合巧者ぶり」を挙げた。一方、日大三の落選理由は「大会終盤に精彩を欠いたこと」や「準決勝で7回までノーヒットと打力不足」とし、「総合力で東海大相模に分がある」と総評した。

 

この決定に対して、ネット上では疑問の声が上がった。それは出場が決まった東海大相模に向けられたものではなく、選考基準に対してだった。「東京のチームも関東大会に出場して他県のチームと対戦し、好成績を収めた上でセンバツ出場権を勝ち取るべき」、「なぜ東京が別枠なのか。学校数は多いが、激戦なのは神奈川なのではないか」、「関東の5校目と東京大会準優勝校が直接対決で決着をつければ納得できる」。

 

◆異なる大会の成績を比較

問題の根本は関東に位置する東京が、他の関東の他県のチームと直接戦っていない仕組みにある。東海大相模と日大三が出場している大会が異なり、同じ土俵に立っていない以上、比較すればしこりが残るのは当然といえる。

 

◆地区大会の成績は「参考資料」

大会要項には出場校選考基準の1つに「本大会はあくまで予選をもたないことを特色とする。従って秋の地区大会は1つの参考資料であって、本大会の予選ではない」とある。大会の成績は「参考」であって「絶対」ではない。にもかかわらず、異なる大会の成績を選考理由で述べるため、基準をあいまいに感じ、納得できないのだ。

 

舞台は同じ甲子園でも、春のセンバツは「選抜」であって、地方大会を勝ち上がった高校が出場する夏の大会とは違う。センバツには21世紀枠もある。毎年のように選考方法や出場校について巻き起こる議論に、聖地を夢見る球児は耳をふさぎたくなるだろう。

By New Road 編集部

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