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世論反対の中“強行開催”でも「五輪は盛り上がる」政府に広がる楽観論

◆「日本人はミーハー」

五輪の会場となっている東京都は、新型コロナウイルスの新規感染者が連日、前の週の同じ曜日を上回っている。下げ止まりというより、増加傾向にある。24日に開催されたモニタリング会議では、専門家から「感染の再拡大の予兆が見られる」と懸念する声も上がった。

 

今月20日に解除した緊急事態宣言で都内の新規感染者を減らすことにつながらなかったにもかかわらず、政府は緊急事態宣言より制限を緩和する「まん延防止等重点措置」に移行している。新型コロナ収束には、早期のワクチン接種にすがるしかない状況だ。

 

開幕まで1カ月を切っても報道機関の世論調査では中止や延期を求める人が過半数を占め、一時は競技会場で酒類を販売しようとしていたメーカーを非難する不買運動も一部で呼びかけられた。来日したウガンダ代表選手からは新型コロナの陽性者が判明し、検査体制の問題点も指摘されている。

 

五輪への逆風は収まる気配がない。それでも、在京テレビ局の政治部記者によると、政府内には楽観論が広がっている。ある政府関係者は「開幕すれば五輪に反対していた人も結局は競技を見る。これまでの五輪やサッカーワールドカップなどを見れば分かるが、日本はミーハーな国民性。聖火リレーも密になるから反対と言っていながら、沿道には多くの人が集まっているのは関心が高く、ミーハーな証」と話しているという。

 

◆聖火リレー 沿道で「密」

実際、聖火リレーでは沿道で密集ができたところも多い。21日まで行われた宮城県では、新型コロナ対策の一環で仙台市内のコースを一部変更したが、到着地点はソーシャルディスタンスを取っている状況とは程遠かった。宮城県の村井嘉浩知事も「若干密になったが、沿道の人は声を出さず拍手するなど粛々と対応した」と発言している。

 

きょう25日まで3日間、聖火をつなぐ静岡県では、帰宅時間と重なる夕方の時間帯にランナーが静岡市の中心市街地を走り、沿道は大混雑。島田市出身の俳優・別所哲也が走った際には人だかりができ、大声で名前を呼ぶ人もいた。沼津市でも多くの人が触れ合うほどの密集ができていた。

 

五輪に反対し、大会組織委員会や政府を批判していても、聖火は見たいという人は少なくないのだろう。制限を敷いた聖火リレーでさえ盛り上がるのであれば、競技が始まれば国民は熱狂すると政府関係者が楽観的なのもうなずける。