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◆高卒2年目 完成度高い先発投手

プロ野球開幕が1週間後に迫っている。シーズンオフやキャンプ期間中は、今シーズンのブレイク候補に数々の選手の名前が挙げられたが、けがによる離脱や、競争に敗れたことで開幕1軍入りが難しくなった選手も多い。セ・パ両リーグで、どの選手が今年を飛躍の1年とするのだろうか。

 

球団関係者や記者が活躍を確信するセ・リーグの選手は、ヤクルトの奥川恭伸だ。オープン戦2度目の登板となった3月14日の中日戦では、初回に平田に3ランを許し、2回2/3を投げて3失点。直球がシュート回転する場面が目立ち、課題を残した。奥川は登板後「納得のいかない投球になってしまった。悔いが残る」と反省を口にしたが、高い評価は変わらない。

 

セ・リーグの球団関係者は「平田の本塁打は風に乗ったから。他にも不運なあたりが多かった。2回以降の投球を見ると、先発投手として修正能力の高さも感じた」と指摘した。スポーツ紙の記者は「中日の打者は攻略したという感覚は持っていない。特に、変化球がやっかいと口をそろえていた」と話した。

 

奥川は、この試合で8つのアウトのうち半分の4つを三振で奪った。スライダーとフォークのキレは抜群だった。コントロールに苦しみながらも、四球は1つだけ。昨シーズンは2軍で計19回2/3を投げて、四球は2つ。制球を大きく乱して四球で自滅するタイプではないことも、奥川が評価される要因となっている。

 

奥川がブレイクする可能性が高い理由は投手としての能力に加えて、チーム事情がある。昨シーズン、両リーグで最も悪いチーム防御率4.61だったヤクルトは、今シーズンもローテーションの駒が足りていない。高卒2年目の奥川に期待せざるを得ない状況だ。セ・リーグの球団関係者は「けががなければ、ヤクルトは奥川をローテーションから外すことはないでしょう。ストレートも変化球も1軍で十分通用するレベルなので、経験を積める環境は大きい。高卒2年目で2ケタ勝利を挙げて、球界を代表する投手に駆け上がったダルビッシュのようになる可能性もある」と分析した。

 

◆先発駒不足はチャンス

パ・リーグのブレイク最有力候補に挙げられたのは、オリックスの宮城大弥。高卒1年目の昨シーズンは、2軍で13試合に登板して6勝2敗、防御率2.72。1軍でも11月の日本ハム戦に先発し、5回3失点でプロ初勝利をマークしている。

 

3月13日の巨人とのオープン戦では、5回2安打1失点。岡本和真のソロを許したが、外角低めに投じられた直球は決して甘くはなかった。他球団の関係者は「真っすぐに威力があって、スライダーとチェンジアップもいい。右打者も苦にしないタイプ。昨年は2軍で1年間投げてきた経験があるので、体力的な面でもある程度計算できる」と評した。

 

ヤクルト同様、オリックスも先発投手が不足している。山本由伸と山岡泰輔の2枚看板に続く投手が必要で、特に左投手の宮城にはローテーション定着の期待が寄せられている。仮に数試合、結果を残せなかったとしてもチャンスがあることは、宮城にとって好材料だろう。

 

昨シーズン、ともに最下位に沈んだヤクルトとオリックス。高卒2年目の両投手がチームの順位を押し上げる飛躍の1年とすることができるのか注目される。

 

By New Road 編集部

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