2008年の北京大会以来、3大会ぶりに五輪競技となった野球は、日本代表に24人の選手が内定した。チームを率いる稲葉篤紀監督は、金メダルを目標に掲げている。

 

メジャーリーガーの選出はなく、メンバーは全員が日本の球団に所属する。24人の選手が内定しているので1球団あたり2人が選ばれている計算になるが、12球団で唯一、選出されなかったのがロッテだ。

 

ただ、日の丸と縁がなかったロッテのファンからはメンバー選考に異議を唱える声は少なく、むしろ「よかった」と安堵している。ファンの頭によぎるのは2017年の悪夢だ。

 

この年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に出場した石川歩が、シーズンで絶不調。前の年に防御率2.16でタイトルを獲得したエースの姿はなく、3勝11敗、防御率5.09と不本意な1年となった。

 

これまでの実績や今シーズンの成績を見れば、投手では守護神の益田直也、野手では荻野貴司や中村奨吾が選ばれても不自然ではない。しかし、ファンは五輪に出場することで調子を落とすことを懸念し、「選出ゼロ」を前向きに捉えている。チームは現在、勝率5割で、首位と3.5ゲーム差の4位にいるだけに、ファンとしては主力の離脱は見たくないのだろう。

 

セ・リーグの中にも、今回のメンバーを見て胸をなでおろしているファンがいる。2位の巨人に7ゲーム差をつけて首位を快走している阪神ファンだ。阪神からは岩崎優と青柳晃洋の2投手が選ばれたが、野手はいない。

 

野球ファンや専門家からは、24人の中に梅野隆太郎の名前がないことに疑問を呈する意見もあったが、阪神ファンからは「梅野は優勝に欠かせない。五輪に行かずシーズンに集中してほしいので選ばれないでよかった」と落選を歓迎する声が上がっている。チームのリズムを維持するためには正捕手の存在は大きい。

 

ただ、メンバーに内定している広島の会沢翼が15日の西武戦で左足を痛めて途中交代し、出場選手登録を抹消された。代役候補に梅野の名前も挙がっているため、阪神ファンが安心するのはまだ早いかもしれない。

By New Road 編集部

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