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◆6試合連続無失点で3セーブ

今シーズンから台湾でプレーする元メジャーリーガーの田沢純一が、存在感を見せている。ここまで6試合に登板して3セーブ。まだ1点も許していない。

 

レッドソックスなどで活躍した田沢は現在、台湾プロ野球の味全ドラゴンズに所属している。メジャー10年間で通算388試合に登板し、21勝26敗89ホールド4セーブ。2013年にはレッドソックスで世界一に貢献した。日本のドラフトを拒否した選手は海外の球団を退団後、一定期間日本のプロ野球(NPB)でプレーできない「田沢ルール」が撤廃され、田沢は昨年10月のドラフト会議で指名対象となったが、声はかからなかった。

 

台湾リーグには昨シーズン4球団が参加。楽天が買収した「楽天モンキーズ」も、その1つだ。今シーズンからは、1999年に解散し、田沢を獲得した味全ドラゴンズが復帰する。前期と後期それぞれ60試合ずつのレギュラーシーズン後、プレーオフと台湾シリーズで頂点を争う。

 

◆台湾からNPBに復帰した選手も

台湾リーグに所属した日本人選手は少なくない。2001年のドラフトで巨人から1位指名され、その後、横浜で中継ぎとして活躍した真田裕貴投手は2013年に中信兄弟に移籍。67試合に登板してリーグ最多の32ホールドをマークした。翌年には日本球界に復帰し、ヤクルトでプレーした。日本ハムにドラフト1位で指名を受け、新人王も獲得した正田樹投手は2009年に興農ブルズ(現在の富邦ガーディアンズ)に2年間所属。1年目は14勝を挙げて最多勝を挙げるなど計25勝をマークした。その後、ヤクルトで2年間プレーし、再び台湾に渡った。元ヤクルトの鎌田祐哉投手は2012年に統一ライオンズで16勝を挙げ、最多勝を獲得している。

 

そんな中、日本人選手で唯一、台湾の他、日本、アメリカ、韓国と4カ国のプロ野球で勝利を挙げている投手がいる。ヤクルトの高津臣吾監督だ。ヤクルトで通算36勝、286セーブをマークした歴代屈指のクローザーは、大リーグでも2年間で8勝、27セーブを記録。ヤクルトに復帰した後、韓国のウリ・ヒーローズを経て、2010年に移籍した台湾の興農で1勝、26セーブを挙げた。ウリでも1勝、8セーブと4つの国で勝利とセーブを記録している。

 

ドラフトで指名されず、次の舞台に台湾を選んだ田沢は「自分を必要としてくれるチームがある限り野球を続けたいと思いました。新たな舞台への挑戦になりますが、さらに成長できるよう、しっかりと準備し、また野球ができる場を与えてくれたチームへの感謝の気持ちを忘れず、勝利のために精一杯投げたいと思います」と決意を語った。異国の地で再び輝きを取り戻すことができるのか。そして、その先にNPBのマウンドがあるのだろうか。

By New Road 編集部

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