目次

◆千原ジュニア「股関節の難病」発表

お笑い芸人の千原ジュニアが、自身のユーチューブチャンネルで股関節の難病と診断されたことを明らかにした。病名は明言しなかったが「原因が分かりきっていない難病。壊死している一部が」と話した。現在は薬を飲んで治療しているという。

 

◆オリックスの西浦 両足を手術

股関節に痛みを伴い壊死する代表的な難病には「特発性大腿骨頭壊死症」がある。先日、オリックスの西浦颯大選手が、この難病で両足の手術を受けた。

 

◆股関節の骨が壊死 毎年約3000人

財団法人「難病情報センター」によると、「特発性大腿骨頭壊死症」は血流が低下して、足の付け根にある股関節の中の大腿骨頭の一部が壊死する病気。国内では毎年、2000~3000人が発症している。初期は自覚症状がないが、血液が通わず栄養が不足した骨が壊死するため、体重がかかると関節がつぶれて痛みが表れる。手術後の生活は、長距離の歩行が制限されたり、重い物を持つことを禁止されたりする。

 

◆復帰の可能性2割弱「最初の選手に」

明徳義塾高校からオリックスに入団した西浦は、プロ1年目から1軍の試合に出場。3年目の昨シーズンは49試合でプレーしている。そのシーズン終盤、試合中に激痛に襲われた。複数の病院で診断を受けた結果、「両側特発性大腿骨頭壊死症」と判明した。

 

担当医からは「8割強の可能性で復帰できない」と言われたという。しかし、西浦は手術前に「この病気で復帰した人がいないなら、僕が最初の人になろうと思う。恐怖心はない」と力強く語っていた。左足の手術は昨年12月に終えていて、今後は数カ月入院し、リハビリをして競技復帰を目指す。

◆サッカー元日本代表も発症

この難病と闘ったプロスポーツ選手は、サッカー界にいる。元日本代表の

望月重良氏。サッカーの名門校・清水商業(現在の清水桜が丘)高校から、1996年に名古屋グランパスエイトに入団。2007年に引退するまで、ヴィッセル神戸や横浜FCなどでプレーした。日の丸を背負い、国際Aマッチに14試合出場している。

 

◆リハビリ3年 技術戻らず2試合で引退

股関節に痛みを感じ病院で検査した結果、「特発性大腿骨頭壊死症」と診断されたのは2004年。この時、大腿部の付け根は壊死し、歩くことも難しいほど壊死していたという。医師からは「もうサッカーを辞めた方がいい」と告げられた。難病としてから3年。懸命にリハビリをしてピッチに戻った。しかし、以前のパフォーマンスを取り戻すことはできず、その年に2試合出場して現役を引退している。

 

◆美空ひばり・坂口憲二も発症

芸能界では、歌手の美空ひばりや、タレントの堀ちえみも「特発性大腿骨頭壊死症」に苦しんだ。最近では、2018年に俳優の坂口憲二が発症を明らかにし、芸能活動の無期限停止を発表した。

 

◆野球界 大病から復帰した選手も

プロ野球界では、2019年に阪神の原口文仁選手が大腸がんを乗り越えて復帰し、オールスターで本塁打を放っている。横浜や近鉄で投手として活躍した盛田幸妃氏も脳腫瘍から復活を果たしている。手術前に「この病気で復活した最初の選手になる」と決意を語った西浦。復帰して躍動する姿を野球ファンも、難病と闘う人たちも待っている。

By New Road 編集部

スポーツメディア「New Road」編集部 読者の皆さまの心を揺さぶる、スポーツのさまざまな情報を発信しています!