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◆「夢追って挑戦 力及ばず」

米大リーグ・ジャイアンツ傘下3Aサクラメントに所属する山口俊が、日本球界への復帰を表明した。自身のインスタグラムで「夢を追ってメジャーに挑戦しましたが、力及ばずシーズン途中での帰国となります。心機一転、新たなチームとのご縁を探し、期待して下さっていたファンの皆さんに頼もしい姿を見せられるように精進いたします」とコメントしている。

 

巨人からポスティングシステムを使ってブルージェイズに移籍した山口は昨シーズン17試合で2勝4敗、防御率8.06。メジャー1年目は日本とのボールの違いに苦しみ、結果を残すことができなかった。今年2月に自由契約となり、ジャイアンツとマイナー契約を結んだが、5試合で0勝3敗、防御率6.18と、ここでも結果を出すことができなかった。

 

◆短期間で日本に復帰した選手の成績は

短期間でアメリカから戻ってきた投手は、日本のプロ野球で活躍できるのか。昨シーズンは、楽天の牧田和久が3年ぶりに日本球界に復帰している。シーズンを通じて安定した投球を見せ、52試合で2勝2敗2セーブ22ホールド、防御率2.16と勝ちパターンの一翼を担った。

 

牧田は2017年オフに、ポスティングシステムを利用して西武からパドレスに移籍した。メジャー1年目は、中継ぎで27試合に登板して0勝1敗、防御率5.40と期待に応えられず、シーズン終盤に40人枠から外された。翌年はマイナーでプレーし、メジャーでの出場機会はなかった。アメリカでは期待に応えられなかったが、復帰した日本で再び存在感を示している。

 

1年でメジャーから巨人に復帰した投手には、柏田貴史がいる。1997年にメッツでプレーし、35試合で3勝1敗、防御率4.31。巨人復帰1年目の1998年は2試合だけの出場だったが、翌年から2年連続で50試合以上に登板。2005年に巨人で引退した。

 

高橋建は1年で古巣の広島に復帰した。2009年にメッツとマイナー契約を結び、開幕1カ月後にメジャー昇格。戦後3番目の“高齢”記録となる40歳16日でメジャーデビューした。28試合に登板して0勝1敗、防御率2.96と結果を残したものの、契約を解除された。2年ぶりに戻った広島では中継ぎとして開幕1軍入りし、4月に2日連続で勝利を挙げた。しかし、調子を維持できず、26試合で4勝5敗、防御率9.30。この年で現役を退いた。

 

野村貴仁は、2001年オフに巨人からブルワーズに入団した。スプリングトレーニングで好投し、開幕をメジャーで迎えた。だが、メジャーの高い壁に跳ね返されて2カ月をもたずマイナーに降格し、オフに解雇された。2003年は日本ハムでプレーしたが、6試合の登板に終わった。

 

“異色”の日本球界復帰となったのは小宮山悟だ。横浜に所属していた2001年オフに、ロッテ時代の監督だったボビー・バレンタインが率いるメッツに移籍。しかし、0勝3敗、防御率5.61と結果を残せなかった。その年のオフは希望した日本球界復帰を果たせず、1年間の浪人生活。2003年オフにバレンタインが再びロッテの監督に就任したこともあり、小宮山はロッテに復帰した。役割は主に点差のついた場面。それでも、2010年にユニフォームを脱ぐまで毎年、20試合から40試合ほど登板した。

 

山口に対しては、古巣・巨人が獲得に名乗りを上げている。メジャー移籍前の2019年シーズンでは15勝をマーク。夢破れて帰国した右腕は、再び輝きを取り戻せるのだろうか。

By New Road 編集部

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