プロ野球は、あさって開幕を迎える。シーズンで注目の1つは、新人選手や移籍した選手ら新しい戦力。こうした未知数の選手と違い、首脳陣は昨シーズン活躍した選手を戦力として計算に入れている。
それだけに、けがや不振で離脱されると戦略や計画が狂い、低迷する要因となる。前年と同様の結果を残せるのか、半信半疑になるのは昨シーズン初めて活躍した選手たち。「2年目のジンクス」という言葉が現実になるのか、警戒する相手を上回る力を発揮するのか、過去10年の新人王の成績を比較する。
目次
【セ・リーグ】※上段が新人王獲得の年、下段は翌年
沢村拓一(巨人)
2011年 29試合 11勝11敗 防御率2.03
2012年 27試合 10勝10敗 防御率2.86
野村祐輔(広島)
2012年 27試合 9勝11敗 防御率1.98
2013年 23試合 12勝6敗 防御率3.74
小川泰弘(ヤクルト)
2013年 26試合 16勝4敗、防御率2.93
2014年 17試合 9勝6敗 防御率3.66
大瀬良大地(広島)
2014年 26試合 10勝8敗0ホールド 防御率4.05
2015年 51試合 3勝8敗2セーブ20ホールド 防御率3.13
山崎康晃(DeNA)
2015年 58試合 2勝4敗37セーブ 防御率1.92
2016年 59試合 2勝5敗33セーブ 防御率3.59
高山俊(阪神)
2016年 134試合 打率.275 8本塁打 65打点
2017年 103試合 打率.250 6本塁打 24打点
京田陽太(中日)
2017年 141試合 打率.264 4本塁打 36打点 23盗塁
2018年 143試合 打率.235 4本塁打 44打点 20盗塁
東克樹(DeNA)
2018年 24試合 11勝5敗 防御率2.45
2019年 7試合 4勝2敗 防御率3.76
村上宗隆(ヤクルト)
2019年 143試合 打率.231 36本塁打 96打点
2020年 120試合 打率.307 28本塁打 86打点
森下暢仁(広島)
2020年 18試合 10勝3敗 防御率1.91
2021年 ?
過去10年間のセ・リーグの新人王は打者3人、投手7人となっている。2019年の村上は2年目に打率を大きく上げ、不動の4番に躍進した。京田は打率を下げたものの、レギュラーに定着。高山は1年目の打撃を見せることができず、出場機会が大幅に減った。
投手は大瀬良がシーズン途中で配置転換されたものの、一定の結果を残した。肘のけがなどで数字を落とした2019年の東以外は、2年目のジンクスを感じさせた投手はいない。
【パ・リーグ】※上段が新人王獲得の年、下段は翌年
牧田和久(西武)
2011年 55試合 5勝7敗22セーブ 防御率2.61
2012年 27試合 13勝9敗0セーブ 防御率2.43
益田直也(ロッテ)
2012年 72試合 2勝2敗1セーブ41ホールド 防御率1.67
2013年 68試合 2勝6敗33セーブ9ホールド 防御率2.76
則本昂大(楽天)
2013年 27試合 15勝8敗 防御率3.34
2014年 30試合 14勝10敗 防御率3.02
石川歩(ロッテ)
2014年 25試合 10勝8敗 防御率3.43
2015年 27試合 12勝12敗 防御率3.27
有原航平(日本ハム)
2015年 18試合 8勝6敗 防御率4.79
2016年 22試合 11勝9敗 防御率2.94
高梨裕稔(日本ハム)
2016年 37試合 10勝2敗 防御率2.38
2017年 22試合 7勝7敗 防御率3.68
源田壮亮(西武)
2017年 143試合 打率.270 3本塁打 57打点 37盗塁
2018年 143試合 打率.278 4本塁打 57打点 34盗塁
田中和基(楽天)
2018年 105試合 打率.265 18本塁打 45打点 21盗塁
2019年 59試合 打率.188 1本塁打 9打点 3盗塁
高橋礼(ソフトバンク)
2019年 23試合 12勝6敗 防御率3.34
2020年 52試合 4勝2敗23ホールド 防御率2.65
平良海馬(西武)
2020年 54試合 1勝0敗33ホールド 防御率1.87
2021年 ?
パ・リーグは10人中8人が投手。大きく数字を落とした投手はいなかった。牧田や高橋は役割が代わったが、新たなポジションでもチームに欠かせない存在となった。
打者2人は明暗が分かれた。源田は不動のレギュラーとなり、田中はけがで出遅れた影響もあって期待を応えることができなかった。新人王の投票で田中の次点だったオリックス・山本由伸は、中継ぎから先発に転向してローテーションの一角を担う活躍を見せた。
それ以前を見ても、新人王を取る力のある選手の多くは「2年目の壁」を越えていく。そして、2年目、3年目で継続して結果を出して高みに立った選手は、球界を代表する選手にまで登りつめている。
スポーツメディア「New Road」編集部
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